日本一やばい男。星野一義さん。~SOBmagazin #24

「やばい」とゆー言葉は、昔は危ないとき怖いとき不味いときなんかに悪い意味として使われていたけども、現代ではスゴすぎる、美味すぎる、可愛いすぎるなんてときにも使われている。

日産がレース活動を辞めたせいで、契約金以外の収入が必要になった星野さんは、先輩も後輩も関係なく勝ちに行ったから、アイツ危ない、「やばい」と噂されたらしいけど、その後すぐに「日本一速い男」と呼ばれるよーになった。

そう、それって今風に表現すれば、「やばい」男だったのだ。

星野一義さんの初めてのバイク C92

●写真提供=八重洲出版

以下 ご本人取材/取材協力=ホシノインパル

僕の家は和菓子屋だったの。

和菓子屋つっても販売店じゃなくてね、職人さんがゴロクニン居てさ、安倍街道のあちこちの店に卸していた和菓子屋のメイカーね。

だからウチには配達用のクルマやトラックやスクーターやバイク、いろいろ有った。

「かねぼし」とゆー屋号でね、その仕事は父親の父さん、善次郎さんが始めたことで、静岡の出身なんだけど、たいそう上手くいって、じいさんは土地や山を買って息子たちに残した。

その仕事は親父の兄貴が継ぐハズだったんだけど、そのオジさんが戦争で亡くなったんだもんだから、東京で電波の仕事をやっていた親父が呼び出されて、その時には嫁さんも決められていたらしく、親父、又平は仕方なく静岡に帰ってきて、仕方なく仕事を継いだんだと思う。

それが証拠に仕事より道楽に忙しくて、ルノーにオースティンにフォードの馬鹿でかいセダン、自分のクルマを何台も持っていて、ヨソの女にクラブをやらせてたりして、そっちのほーもかなり御盛んだったよね。

なにしろ何か欲しいものがあると山を売っちゃうんだから。

でも、僕にとっては良い親父でね、欲しいオモチャなんか有ると、オモチャ屋の前で寝っ転がって欲しい欲しいと騒ぐと必ず買ってくれてね、そんな特技が僕には有ったから、中2のときにC92とゆー125㏄の新車を13万5千円もしたのに買ってもらったもの。

買ってくれないなら学校に行かないなんつって、4日間もズル休みしてね。

ほんとは15万5千円のCB92が欲しかったんだけど、親父が頼んじゃってて、もう現物がバイク屋に来てたから妥協して、シートはCB92のダブルシートに変えてもらった。

初めてバイクを運転したのは中1のときかなぁ。

親戚の家に山口オートペットとゆー50㏄が有って、3速クラッチ付きだったけど、クラッチ操作とギアチェンジは誰から教わらなくても出来た。

小さい頃からずっと、親父がクルマを運転するのを観察してたから、クラッチペダル踏んでギアを入れて、またクラッチを踏んでギアを変えるって分かっていたから簡単に乗れた。

逆にね、家に有った配達用のスクーター、ラビットのアクセル開けたときにクラッチが滑ってるよーなあのヌメーッとした感覚がイヤだった。新車のC92は、フロントフェンダーとチェーンカバーを外して、安倍川の河原で泥だらけにして走っているもんだから、親父は怒ってたね、何やってんだ、もっと大事にしろって。

だけど僕は静岡の藤枝に見に行ったモトクロスにシビレてたからね、俺にはコレしかないって思いこんで走り回ってた。

《続きはSOB magazin #24誌面にて読めます》

本誌では伊藤史郎さんの知られざるエピソードやアメリカ、カタリナGPの話など盛りだくさんです。

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SOB magazine 24号 主な内容

●メイン記事(特集)

日本一やばい男。星野一義さん。

~「日本一速い男」と呼ばれたレーシングドライバー、星野一義氏の取材による他紙では決して読めない話、SOBマガジンだからこそ読めるが盛りだくさん~

●「K.O.された陸の王者」Text=林崇(M/Cジャーナリスト)

●「750をZeroとするか、900をBaseと考えるか」Text=稲垣トオル(内燃機屋さん)

など

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